Past Exhibition
戸村 浩
Pythagorean Square
ピタゴラスの正方形
2023. 9.4 Mon. – 9.29 Fri.
YOKOTA TOKYOでは戸村浩“ピタゴラスの正方形 - Pythagorean Square”展を開催いたします。
戸村は、財団法人柳工業デザイン事務所の柳宗理に師事した後、1960年代頃より造形作家として、一貫して幾何学による作品を制作してきました。代表作となる《Move Form》や《CUBE》のシリーズなど、幾何学的原理を追求する厳密な思考を基底にしながらも、ときに原理そのものを色彩や触覚、またはユーモアによって感覚的に押し広げてきました。 今回の展覧会では、「ピタゴラスの定理」をテーマに、三角形から四角形、平面から立体、そしてまた平面へと自在に展開していく新作品群を展示します。
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ピタゴラスの正方形たちの独立宣言
母から聞いたまだ私が幼児であった頃の話。3つ違いの兄と年子の姉と私は当時猛威を振るった腸チフスに罹り天津だか済南かの病院に入院したそうだ。寝ずの看病をしてくれた母はその緊迫した病棟の様子を語ってくれた。ある母親は看病に疲れ果てうとうとと眠りに吸い込まれた合間に、子供は息をひきとったと…
日本への早い引き揚げ、空襲、疎開、毎年の台風、時折の地震。
今私が生あるのは父母の愛情、隣人諸々の人々によって支えられてきたからだ。それに偶然かも知れない時間や空間のような大きな存在に後押しされて生き、成長してきた。
二十歳になる前石膏デッサンを最後に眼の前にあるものを美術の対象とすることをやめた。決して後ろ向きになるわけではない。
その摩訶不思議な時空帯から自分が押し出されるようにそこから抽出されたもの達に従い前に進む。
今 何故かピタゴラス
戸村 浩 2020年