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YOKOTA TOKYOでは、岡崎和郎「ものの記憶・再考」展を開催いたします。
「補遺」の思考にもとづく岡崎和郎の作品は、記憶と密接に結びついてきました。

幼い日の景色、空の一升瓶で玄米を突いた脱穀の光景、竹槍を振るう大人、玩具の人形、空地、足袋、「黒い雨」、日の丸――

戦中から戦後にかけて目にしたそれらの光景の中で、本来の用途を失った「もの」は、彼の記憶の中に留まり、やがてかたちを得て作品となっていきます。岡崎にとって“作ること”は、同時に彼此を貫いて“観る”ことでもありました。

1930年生まれの作家にとって、こうした少年期のみた光景は、それ以後に展開する造形感覚と結びついていたのかもしれません。

「過去のもの、記憶して持っているもの、インプットされたもの、自分がやってきたことが、僕の制作の契機というか、大事な源になっている。歴史というのは補遺の連続であり、補遺そのものと言える。

(中略)

一生のうちに一つのものの考え方を埋めていって自分の全体ができればいいと思っている、それだけです。」

(2010年、神奈川県立近代美術館で行われた個展の際のインタビューより)

弊廊では2000年4月、岡崎和郎の個展「ものの記憶」を開催いたしました。
本展は、それを再考する機会を通じて、岡崎の作品全体を捉え直す端緒でもあります。

記憶を宿した作品を通じて、作家の思考に触れ、深める機会となれば幸いです。